【瑛主小説】チョコレートコスモス

ときメモGS

瑛主のバレンタイン3年間。

***

高校初めてのバレンタイン。
珊瑚礁のバイトを通じて少し仲良くなった瑛くんにチョコを渡してみようかなと思った。
とはいえ、スイーツ作りがプロ並みの彼に手作りチョコを渡す自信がなくて、奮発して買った高級チョコレートを渡した。
これならきっと大丈夫、と思ったら、

「ちょっと考えろ。俺、これで4つ目だ……」

学園のプリンスは他の女の子からも貰ったみたいで、バッチリ被ってしまった。

「じゃあ、いいよ。持って帰るから……」

チョコを持ち帰ろうと手を伸ばしたら、ひょいと高く持ち上げられ、

「ダメ。もらったからには俺んだ。じゃあ、サンキュ」

と、鞄の中にしまわれた。
もう……素直じゃないなぁ!と思いつつも、受け取ってくれただけで嬉しかった。

 

2年目のバレンタイン。
バイトの他にも2人で出かけることが増えて、1年目よりも仲良くなった2年目は思い切って手作りチョコに挑戦した。

「おっ……手作りだ」
「ちょっとがんばっちゃった」
「ちょっとってずいぶん凝ってるぞ?これ」
「まあね。瑛くんの腕前には敵わないと思うけど」

すると、瑛くんは笑って、

「バカ。なあ、あとでこれ、一緒に食べよう。どっか隠れて。じゃあな」

すごく喜んでくれたのが嬉しくて。
がんばって良かったなって思ったの。

そして、放課後。
約束通り、珊瑚礁近くの海辺の人目につかないところへ向かった。

「へぇ、美味そう」

チョコを包む水色のラッピングをほどいて、いただきます、と一言言ってから瑛くんはチョコを口に入れる。
その瞬間、ドキドキする。

「瑛くん、美味しい?」

と、聞いたら、瑛くんから返事の代わりにチョコを口の中に入れられた。

「甘い……」
「一緒に食べようって言ったろ?」
「うん……!」

甘くて幸せいっぱいで、これからも瑛くんとずっとこんなふうにいられたらって想った。

 

そして、3年目の今年のバレンタインは――。

「やっぱりいない……」

あれから瑛くんは学校に来なくなった。
でも、このチョコは瑛くんのために……。
気づいたら、珊瑚礁まで歩いていた。

「おや?お客さんかな」
「マスター!」

久しぶりにマスターに会った。
マスターに瑛くんに渡すつもりだったチョコを預けると、

「ありがとう。瑛の奴を好きになってくれて」
「わたし……」

大好きでした、瑛くんのこと。
学校ではいい子で通してるけど、ほんとはちょっと乱暴で皮肉屋なところも。
瑛くんがいなきゃこんなに寂しいなんて。
やっと気づいた気持ち、伝えなくちゃいけないのに、ちゃんと言えなくて。

中に入ってマスターと話した。
珊瑚礁を閉めた本当の理由、瑛くんのこと。

「瑛の奴は、きっと帰ってくるさ。こんな素敵なお嬢さんをおいて、そうどこかへ行けるもんか」
「そんなこと……」
「帰ってきたらすぐ連絡するから、もう少しの間でいい、信じてみてやってください」
「はい」

マスターと話して、少し元気が出た。
瑛くんはきっと帰って来る。
わたし達、サヨナラで終われないよね……?
卒業式までの僅かな時間に奇跡を信じて――。

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瑛主のバレンタインイベントがすごく好きです。
ЯeaLのチョコレートコスモスがめっちゃ瑛主でした。